エニィーとラムと野菜と黒牛と青空

趣味で育てている野菜の成長や、日々の日常などと綴っていきます。

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東北一人旅:3日目(下北半島)

3日目は曇り。昨夜の酒で頭の芯が少し痛い。

食堂に来てみると、立派な神棚が目に付く。飾りを付けた屋根が3つあり、ご神体の鏡も備わっている。色は全体に黒光りしており、かなりの年代物だと思われた。
この辺りは漁村だろうから海の守り神と関係が深いのかもしれないけれど自分の知識不足に愕然とする。チコちゃんなら・・・・

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昨夜のご飯を目一杯食べたせいかどう考えても食べきれる量ではない。それでも生卵が食べられない僕は、卵焼きの半熟の面もさらに焼いてもらった。
結局かなり残してしまったので、塩鮭をおにぎりにしてもらった。給仕をしてくれたおばあさんが、

「大きいのを1つか、ちゃっこいのを2つにするか?」

と聞いてきたので、

「小さい方でお願いします」

と言った。しばらくしてプラスチックの容器に入れられ、さらに不透明な白いプラ袋に入れられたおにぎりを受け取って宿を後にした。
この時は気が付かなかったが、大きいか小さいかは相対的な基準でしかない。おばあさんの基準で「ちゃっこい」のは、僕の基準では特大である。コンビニのおにぎりと比べれば倍の大きさだった。

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3日目はむつ湾フェリーで、蟹田港から下北半島の脇野沢港に向かう計画である。青森市を通過する陸路だと176km、3時間40分かかるが、フェリーなら22.6km、1時間の船旅。気分転換でもあり車とは違う旅情が味わえるかもしれない。

予定よりも早く、「風の町交流プラザ トップマスト」内にある受付で乗船手付きを済ませる。

「風の町」というのは、太宰 治の「津軽」という作品に登場するここ蟹田の印象から来ているという。残念ながら太宰の作品は中学校の教科書にあった「走れメロス」くらいしか読んだことはない。今回津軽半島に来るにあたって「津軽」くらいは読んでおこうか、と思わなくもなかったが、それきりになってしまった。

そんなことを思いながら、乗船の時間になる。

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バウバイザーをあげたランプウェイから車両甲板に車を入れる。所定の場所に停車したら、係員がジェスチャーでドアミラーを折りたたむように指示してくる。S2000は電動でドアミラーをたためない。下りてから手動でたたもうとするが、力の加減が分からずもたもたしていたら、無理にたたまなくても良い、と別の年配の係員が言ってくれる。しかし何とか折りたたむことができた。

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出港までには20分程あり、旅客甲板から景色を眺める。ディーゼルエンジンからの排煙はそれ程黒くはない。こんなところにも技術の進歩があるのだろう。
思ったよりも陸奥湾は広く、東の沿岸は見えない。

ちょうど時間になり、係員が友綱?を外すと、大きな船体は器用に90度くらい回転してから港をでた。生憎雨が降ってきた。

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2等客室で近くに座った70歳頃とおぼしき男性と少し話を交わす。名古屋から青森まで飛行機で来て、団体で青森を回るらしい。
お互いに年齢や(元)職業は明かさずに会話を進める。何となくぎごちないのは仕方ない。

到着10分前くらいに、車で待つようにアナウンスが流れる。今回の旅行で初めての雨。

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フェリーから降りたらR338で北上する。しばらく先ほどの団体を載せた観光バスの後ろを走っていたが、道を譲る気配はないため、途中のパーキングで距離をあけるために休憩する。

そこにやってきたのは、京都の福知山から陸路で大間まで行き、フェリーで北海道に向かうという男性。年の頃は僕とたいして変わらないだろう。毎年2週間ほど北海道で過ごすのだという。
お互いに無事を祈りながら京都の旅人が先に走り出した。その旅人とは結局大間港まで付かず離れずのドライブとなった。

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仏ヶ浦の駐車場に車を入れると先ほどの人が傘をさして出てきた。僕は傘を持っていなかったので断念。その先の展望台から眺めただけだった。
しかしこの光景はどこかで見たような・・・・そう、いつも拝見しているブログ(touch the sky~ロードスターから眺める空~)に出てきたのと同じ場所から見た仏ヶ浦だった。

そうか・・・・tomoさんもここから写真を撮ったんだな・・・・

結局、京都の人とは抜きつ抜かれつしつつ、最後は僕は大間崎へ、彼は大間フェリーターミナルへと向かい別れた。

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大間崎は、大変な賑わいで、お土産屋さんや海鮮丼を食べさせる店が集中している。駐車場は自家用車やオートバイで一杯だった。
大間崎のマグロのモニュメントでは人が映り込まないように気を付けて撮影したが、やはり人が一杯いるほうが良い。↓の写真では、あまりにも寂しすぎる。

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大間崎でお土産を仕入れてから向かうのは仮屋崎。今夜の宿は青森市内のビジネスホテルなので、仮屋崎に向かう途中に予定していた恐山見学は見送った。
しかし向かう方向は厚い雲がかかっている。急げや急げ!

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何号線かは忘れたけれど、2車線の道路かと思うと次は1車線の道路になったり。この道路はまだ土地の買収が終わっていないのだろう。

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仮屋崎に何とか到着。もう3時を回っている。夕ご飯のことを考えると今食べておかないとタイミングが悪いので、朝作っていただたおにぎりを開ける。

どこがちゃっこいのだ・・・・と思いつつ、やっとの思いで1個を食べたが、それが限界。

仮屋崎では寒立馬に会いたかったが、もう厩舎に帰ったのかもしれない。記念に寒立馬の糞を写して帰ることにする。

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ところがである。仮屋崎に入るゲートまで戻ったら、一心不乱に食事中の1頭の寒立馬がいた!観光用に出してあるのだろうか。
柔らかい草を食べているが、同時に体にたかるハエを身体を震わせたり、後ろ足で払いのけるように追っ払っていた。

寒立とは、雪の中に立ちつくす様を言うそうだが、雪の中に立って、津軽海峡を眺めながら何を感じていたのだろう。ただそこにある、というだけで十分なのだろうか。過去も未来もなく、ただこの時を生きているのだろうか。

過去を悔い、未来に怯える人間と、どちらが幸せなのだろうか。答えのない問いを思いながら、結局生まれ変わっって寒立馬になってみなければわかるまいと思う。
いや、寒立馬に生まれ変われたとしても、その時は人間だった記憶は失われているだろうから結局のところ永遠に分からないだろう。どちらにしろこの命を全うするしか選択肢はない。尾崎豊ならば、「それが人生だ・・・・分かるか?」等と知った風なセリフを吐くのか。

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R338からK7を抜け、R279・・通称「はまなすライン」を走り、今夜の宿「青森ワシントンホテル」に荷物を下ろした。

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この夜はバーで一杯の予定だったが、疲労のためバーを探す体力はすでに切れていた。

一休みしてからホテルの隣の居酒屋「篤」さんに入る。僕が今夜初めての客のようだ。年配のご夫婦で切り盛りしているらしい。奥様はショートカットが似合う都会風な容貌。

まずは田酒を2合頂く。つまみは一夜干しのイカを焼いてもらう・・・・龍飛岬が「津軽海峡冬景色」ならば、八代亜紀の「舟歌」にはモデルとなる場所があったのだろうか・・・・ともかく今夜は舟歌でいこう。

後の壁には、今年いっぱいで店仕舞いすることがアナウンスされている。夫婦とも不愛想なのか無口なのか、客がいるのにテレビの洋画をずっと見ている。

「映画がお好きなんですか?」

「ろくなテレビ番組がないので、ケーブルテレビで洋画を見るのが楽しみなんです」

「お泊りは隣のホテル?どちらから?」

「栃木県から。1週間程東北を回っているんです。次はその蒼川を下さい」

そんな話をしていると知り合いらしい客が入ってきた。もうどこかで飲んできたらしく、薄い焼酎の水割りを頼む。店主とは子供の様子や趣味の畑仕事などの会話が続く。

「僕のところでも今年はトマトが豊作でしたよ」

と会話のきっかけを見つける。たわいない話が始まると、

「この人はね、銀行の支店長までしたんですよ」

どうも店主は、この辺りの銀行の支店長にまで上り詰め、脱サラしてこの店を始めたらしい。そして70歳を迎えて店仕舞いするらしい。

結局日本酒を4合(実際は3号程度だと思う)飲んだところで帰ることにする。
記念に写真の許可を乞うと、奥様は写真は苦手だということで店主だけ写させてもらった。

酔った身体にまだまだ暑い夜風だった。

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つづく


Comment

NoTitle 

忠さん、こんにちは。

陸奥湾フェリー、津軽から下北に移動するには、
便利ですよね。
以前、スケジュールに乗船を組み込んでいたのに、
まんまと乗り遅れました(苦笑)

仏ヶ浦、あの展望台からしか見れない景色ですよね。
違った場所にも展望台を増やしてくれればイイのに。

寒立馬、1頭だけでも見かけるコトが出来てラッキーですよ。
今年の初夏に訪れた時は、
1頭も見かけるコトが出来ませんでした(悲)

続編、楽しみにしております!
  • posted by tomo 
  • URL 
  • 2018.08/29 17:37分 
  • [Edit]
  • [Res]

NoTitle 

tomoさん、こんにちは。

仏ヶ浦・・・・真っ先に浮かんだのがtomoさんのブログでみた仏ヶ浦でした。雨が降らなかったり、傘があったらこの光景は見ていません。

寒立馬は、初めてだったのでラッキーだったのかどうか分かりませんでした。とにかく仮屋崎は遠かったです!
  • posted by 忠 
  • URL 
  • 2018.08/29 20:20分 
  • [Edit]
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